こんにちは!元獣医師のにぼしです。
ワンちゃんの飼い主さんにとっては毎年お馴染み!フィラリア予防の季節がそろそろやってきますね。
知ってるよ、蚊に刺される夏だけ薬を飲ませればいいんでしょ?
・・・それ、間違いです!!
フィラリア症を確実に予防するためには、適切な時期・期間に予防薬を飲ませてあげる必要があるんです。
フィラリア症は、正しく予防すれば100%防げますが、十分な予防ができず感染してしまうと、命を落とすこともある危険な病気。
薬を飲ませ始める時期や期間など、正しい予防法について一緒に確認していきましょう!
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フィラリア予防の時期
フィラリアは寄生虫の一種で、蚊に咬まれることで感染する病気。
なので、蚊が活動している時期に合わせて予防していきます。
確実にフィラリア症を予防するためには、蚊が飛び始めた1ヵ月後から蚊がいなくなった1ヵ月後まで予防を続けましょう!
- もし4月に蚊を見かけたら、5月からお薬を飲ませ始める。
- 11月で蚊がいなくなったら、12月に最後のお薬を飲ませる。
- ほとんどのお薬は月に1回飲ませるタイプなので、その間は毎月1回予防薬を飲ませる。
この3つのポイントが守れていれば、フィラリア予防はバッチリです!!
地域別のフィラリア予防時期
地域毎に気候が違いますから、蚊の活動時期も変わってきます。
蚊は15℃以上になると吸血を始めるとされているんですね。
過去の気温情報を元に算出されたデータによると、全国のフィラリア予防時期の目安は、おおよそ次のようになります。
北海道 | 7月~11月 |
---|---|
東北 | 6月~11月 |
関東甲信越 | 5月~12月 |
北陸 | 6月~12月 |
東海 | 5月~12月 |
近畿 | 5月~12月 |
中国・四国 | 5月~12月 |
九州 | 5月~12月 |
沖縄 | 1年中 |
温暖な地域では、蚊の活動期間が長いため、フィラリアの予防期間が長くなっていますね。
統計データによると、東京都内でも11月は平均気温12℃、最高気温16℃ほど。
夏が過ぎて涼しくなってきても、蚊はまだ活動しているので注意が必要というわけです。
北海道や沖縄は特別ですが、本州など、だいたいの地域では5月~12月がフィラリア予防の時期と覚えておきましょう。
蚊が飛んでいる時期だけでは不十分!
既にお伝えしたように、フィラリア予防でお薬を飲ませる時期は、蚊が飛び始めた「1ヵ月後」から蚊がいなくなってから「1ヵ月後」までの毎月1回。
でも、なぜ「1ヵ月後」?毎月1回?なのでしょうか?
蚊がいる間だけの予防では不十分なのには、ちゃんと理由があるんです。
フィラリアの薬は予防薬ではなく駆虫薬である
まず一つ目の理由は、フィラリア薬の働きと関係しています。
誤解されている人が多いんですが、フィラリア薬は、フィラリアに感染しないように予防するお薬ではなく、感染したフィラリアを駆虫するお薬なんですね。
簡単に言うと、お薬を飲ませたタイミングで、その時ワンちゃんの体内にいるフィラリアをお掃除してくれるような、虫下しのお薬なんです。
そのため、蚊が飛び始めて、フィラリアに感染する可能性が出てきた後にお薬を飲ませ始めないと、意味がありません。
お掃除するゴミ(フィラリア幼虫)がないからですね。
そして、フィラリアに感染する最後の可能性(=蚊がいなくなった日)が過ぎた後に、最後のお薬を飲ませて、きれいスッキリ体内のゴミ(フィラリア幼虫)のお掃除を完了させる!というわけです。
薬が効くのはフィラリア幼虫が皮下にいる間だけ!
二つ目の理由は、フィラリアの感染経路と予防の仕組みに関係しています。
蚊から感染したフィラリア幼虫は、まず最初に犬の皮膚の下や筋肉の中に住みつくんですね。
この間、特に悪さはしません。
ところが2ヵ月ほど経って幼虫が成長してくると、犬の体内を移動して血管の中に入り込むんです。
そして血液の流れに乗って、心臓にまでフィラリアか到達してしまうと、心臓や肺などワンちゃんの身体機能に悪影響を及ぼすようになります。
ここで注意したいのが、血管や心臓の中に入ってしまったフィラリアは、お薬では十分に駆虫できないということ!
つまり、血管に入る前、皮膚や筋肉など皮下にいる間にお薬で確実に駆虫することが重要なんです!
月1回のお薬で、確実にフィラリアを全滅させよう!
いつ、どんなタイミングでフィラリアに感染したとしても、フィラリアの幼虫が皮下にいる間に退治できるような予防の時期とタイミングが
- 蚊が飛び始めた1ヵ月後から
- 蚊がいなくなった1ヵ月後まで
- 予防期間中は、毎月1回お薬を投与
の3点セットなんですね。
特に、最後の締めくくりを忘れてしまうと、翌年にはフィラリアが成長して血管の中に入り込み、手遅れになってしまう可能性も。
終わりが最も肝心ですっ!
涼しくなったからといって油断せずに、美しいフィニッシュを決めてくださいね!
予防時期を忘れて薬を飲ませそびれてしまったり、タイミングがズレてしまったら?
毎月飲ませるお薬ですが、ついうっかり忘れてしまったり、数日遅れてしまうこともあるでしょう。
逆に、きちっと丁寧に毎月同じ日にちを守ってお薬をあげている方もいるかもしれません。
結論を言うと、フィラリアのお薬を飲ませるのは、ちょっとぐらいなら遅れても大丈夫です。
それよりも、一度忘れてしまったからといって、諦めてその後お薬を止めてしまう方が危険!
ヤバい!途中でフィラリア薬飲ませるの忘れてた!というあなたは、「うっかり飼い主さん必読!フィラリア予防薬を飲み忘れた時の対処法!」を読んでみてください。
子犬はいつからフィラリア予防を始めればいいの?
フィラリア予防をするべき時期は、子犬でも成犬でも変わりありません。
蚊が飛び始めた1ヵ月後から蚊がいなくなった1ヵ月後まで、毎月1回です。
フィラリアのお薬には2ヵ月齢前後から使い始められる薬もあるので、生後2〜3ヵ月を過ぎた子犬にはフィラリア予防を始めるのが安心です。
獣医さんと相談しながら予防してあげてくださいね。
フィラリア予防の時期はコレでOK!
さぁ、これで愛犬をフィラリア症から守ってあげられますね!
確実にフィラリアを予防するために、お薬を飲ませる時期・期間で重要になるポイントは、
- 蚊が飛び始めた1ヵ月後から
- 蚊がいなくなった1ヵ月後まで
- 予防期間中は、毎月1回お薬を投与
の3点です!
毎月大変かもしれませんが、可愛いワンちゃんのために、忘れずにフィラリア予防を続けてあげましょう!
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