もうすぐクリスマス!
あなたはクリスマスと聞くと、何を連想しますか?
イルミネーションにサンタクロース、クリスマスプレゼント…
お楽しみがいっぱいですね!
動物病院で働く獣医師にとって、クリスマスが近づくにつれ、1つ懸念されることが…
それはクリスマスのチキン!
クリスマスになると、「犬がローストチキンを丸ごと食べちゃったんだけど大丈夫ですか?」とか、「フライドチキンを食べてから、うちの子吐いたり下痢しちゃって…」などと相談を受けたり、診察に来る人が急増!
今日は、チキンが犬にとって危険な理由と、動物病院に行った場合、どのような処置、治療が行われるか説明していきます。
チキンを骨ごと食べさせるのは本当に危険なの?
まず最初に知っていただきたいのは、犬にとって鳥の骨を食べるのは危険を伴うということ!
チキンは食べ物だし、犬は噛む力も強いから、骨ごとチキンを食べても問題ないじゃないか!と思われる人がいるかもしれません。
ネットで調べてみても、犬に鳥の骨を与えても問題ない、という意見も見られます。
鳥の骨が大好物!というワンちゃんも少なくないでしょう。
実は私も、幼い頃実家で飼っていた犬には食べ残したフライドチキンの骨をよく食べさせていました。
しかし、今までチキンを骨ごと食べていたけど全く問題なかった…というのは、ラッキーだっただけ。
チキンを骨ごと食べることには、2つの危険が潜んでいます。
危険①鳥の骨は割れると断面が鋭く尖る!
鳥の骨は、噛み砕くと縦に割れ、先端が鋭く尖ります。これがのどや胃、腸を傷つけてしまうおそれがあるのです。
傷つけてしまった場合、食べてしばらく元気にしていても、骨の先端で胃や腸がチクチク刺激され、吐いてしまったり下痢を伴うことも。ひどいと吐物や便に血が混じることまで。
しっかり揚げたり、加熱調理した骨は、胃で消化されやすいと言われていますが、尖った骨が胃から腸へとそのまま流れていくと…腸は大荒れに。
食いしん坊のフレンチブルドックが、某有名店のフライドチキンを1箱丸ごと食べてしまい、血混じりの下痢が止まらなくなってしまった例がありました。
その子のお腹のレントゲンには、腸の中にはっきりとした骨の影が!
幸い、治療によって下痢は治まりましたが、回復するまでには2週間くらいかかりました。
危険②油分が多いと消化不良に!
骨だけでなく、フライドチキンや唐揚げなど、油分が多いものは消化が悪くなり、下痢してしまうことがあります。
人間も脂っこい食事を摂りすぎると、胃もたれしたりお腹を壊すことがありますよね。それと同じです。
ササミなど低脂肪なお肉ならまだしも、油分の多いフライドチキンなどの食べ過ぎは、お腹を壊すことにつながりかねません。
チキンは美味しいので、ワンちゃんはついつい食べ過ぎてしまうことがあります。
飼い主のあなたがきちんと管理してあげてくださいね。
鳥の骨を食べてしまったら…動物病院では何をしてくれる?
あなたのワンちゃんが鳥の骨を食べてしまったら…動物病院へ行った方がいいのでしょうか?
まず、吐いたり下痢をしているなど、明らかにワンちゃんの様子がおかしいようであれば、すぐに動物病院を受診してください。
元気そうにしていても、かなり大量の鳥の骨を食べていたり、心配な場合は動物病院に相談した方がよいでしょう。
動物病院でできることの1つがレントゲン検査。
レントゲンでお腹の中にある骨の量や状態を確認することで、治療や対処方法を考えていきます。
危険な状態であれば、内視鏡で骨を取り出すこともありますし、相談して経過観察となることも。
吐いたり下痢をしてしまって、体調が良くない時は、点滴を行ったりします。
実際、少量の骨であれば、時間の経過とともに消化されて、何事もなく済むことが多いです。
しかし、ワンちゃんの体の大きさや体調にもよるため、一概には大丈夫と言い切れません。
その時の状況によって適切な治療は変わりますので、かかりつけの獣医師の判断に従ってください。
油断大敵!
犬に鳥の骨を食べさせるのは危険を伴うということがお分かりいただけたでしょうか?
クリスマスはパーティーなどで盛り上がり、ついついワンちゃんに目を配るのが疎かになってしまいがち。
気を付けているつもりでも、あなたがちょっと目を離した隙に、ワンちゃんの口に入ってしまうかもしれません。
慌てて動物病院に駆け込むなんてことがないように、楽しく安全なクリスマスをお過ごしください!
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