いざ転職しようと決意したところで、実際、どんな企業から獣医師の求人が出ているの?
残念ながら、「獣医師」としての中途採用を行っている企業は限られますが、獣医師の資格が活かせる(転職に多少有利になる)業界や業種はあります。
この記事では、私が実際に転職エージェントから紹介された求人や、知人の獣医師の転職先を参考に、獣医師の経験を活かして働ける一般企業の業界・業種を紹介していきます。
製薬会社
製薬会社には新卒で入社する獣医師も多いですが、中途採用も行われています。
製薬会社の獣医師と言うと、研究開発のイメージが強いかもしれませんが、学術や営業などの業務に携わる獣医師も。
こういった部署であれば、研究の経験がなくても採用の可能性は十分にあります。
また、動物薬専門の製薬企業では、人用の医薬品だけを扱う企業よりも獣医師が活躍できる場が多く、採用にも有利でしょう。
製薬業界では、製薬会社の他にも治験に関わる調査やモニタリングを行うCRA(臨床開発モニター)などの仕事に転職する獣医師もいます。
獣医師の経験が活かせるポイント
- 獣医師免許
- 薬関係の基本的な知識
- 数値やデータなどを扱う理系のスキル
など
ペットフードメーカー
栄養面からペットの健康を支えるペットフード業界では獣医師を募集しています。
獣医師が関わる業務は、部署によって、お客様サービスや動物病院への営業、セミナー開催、商品開発など多岐にわたります。
処方食は病気の治療とも深く関わっているので、動物病院で働いた事がある私たち獣医師にとって、ペットフードは馴染みのある分野で興味も持ちやすいですよね。
臨床獣医師の転職先としてメジャーなのも納得できます。
獣医師の経験が活かせるポイント
- 獣医師免許
- 動物病院での臨床経験
など
ペット保険会社
動物病院で働いていたあなたなら、ペット保険の大切さは十分理解されていると思います。
ペット保険会社では獣医師を募集しており、新卒・中途どちらも比較的積極的に求人を行っているようです。企業のHPをチェックしてみましょう。
保険適応の判断や健康相談など、臨床獣医師の経験が直接活かせる業務から、保険商品の企画などビジネスを学ぶチャンスまで。
パートタイムなど、子育てや家庭と両立しながら働ける環境が整っている企業もあるようです。
獣医師の経験が活かせるポイント
- 獣医師免許
- 動物病院での臨床経験
など
獣医学関連出版社
獣医学専門の雑誌や教科書などを扱う出版社では、編集の職種で獣医師を募集していることがあります。
獣医師なら誰でも知っているような雑誌や、学生時代にお世話になった教科書などを作る側の仕事。
動物病院の現場を離れても、最新の獣医学の勉強を続けていきたいという人にはピッタリなのではないでしょうか。
ただ、会社の数にも募集人数にも限りがあるので、常に求人募集があるわけではなく、タイミングが合わないと転職するのは難しいかもしれません。
獣医師の経験が活かせるポイント
- 獣医師免許
- 獣医学の専門知識
など
医療系広告代理店
転職エージェントから紹介されて初めて知ったのですが、「医療を専門に取扱う広告代理店」という業界があるんですって。初耳でした。
メディカルライターなどという職種があり、製薬会社が医師向け、患者向けに使用するパンフレットなどを作る仕事です。
動物病院でも、飼い主さんに病気の説明をする時に、製薬会社やペットフードメーカーのロゴが入ったパンフレットやボードなどを使っていませんでしたか?
あれの人医療版と考えるとわかりやすいかもしれません。
文書を読み書きしたり、物を作るのが好きな人に向いているのではないでしょうか。
獣医師の経験が活かせるポイント
- 薬関係の基本的な知識
- 数値やデータなどを扱う理系のスキル
- パンフレットなどを使う「先生」側の目線
など
一般企業への転職を成功させるために
このような企業・職種では、資格や臨床獣医師としての経験が活かせるため、未経験でも採用されやすいと言えます。また、あなたと同じような経歴で、臨床から企業へと転職してきた獣医師が働いている可能性も高いです。
いずれにせよ、中途採用の求人は常に募集されていることは少ないので、タイミングも重要。
気になる業界があれば、求人が出ているかどうか細めにチェックしておくのがオススメです。