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獣医師の年収は?若手勤務医のリアルな給料事情も激白!

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ペットブームだし、獣医さんって儲かるんでしょ?

動物病院の獣医師だと言うと、多くの人からこのようなことを聞かれます。あなたもそうかもしれませんが、世間では「獣医師=高学歴・高収入」だと思われているよう。

実際のところ、年収はどれくらいなのでしょうか?私が動物病院で獣医師として働いていた時の収入を公開していきます。

獣医師の平均年収

私の給与明細を公開する前に、まずは獣医師の平均年収を見てみましょう。

平均年齢:39.1歳
平均年収:605.8万円
平均月収:45.4万円
(厚生労働省:平成26年賃金構造基本統計調査より)

獣医師の収入は、地域や病院の規模によって変わってきます。
また、同じ獣医師と言ってももちろん院長クラスと新人獣医師の収入には雲泥の差が。

働き始めた頃の収入はどれくらいなのでしょうか?

若手獣医師時代の給与明細

東京都内で働いていた、獣医師3年目(28歳)の時の私の給与明細がこちらです。

年収:450万円
月収:28万円+手当(家賃補助1万円+遅番・夜勤手当)
※社会保障付き

遅番夜勤など、長時間勤務しなくてはならないシフトが月に4〜8回くらいあり、手当として月に2万円〜10万円貰っていました。※社会保障付き

ここから税金が差し引かれ、手取り収入としては月30万円前後。

ちなみに、初任給は月給25万円で、1年で月給1万円ずつの昇給でした。

比較したことがないので何とも言えませんが、同世代の獣医師としては平均〜やや待遇の良い病院で働けていたと思っています。

それでも、毎日12時間以上、忙しい時は深夜を過ぎて20時間近く働くのも当たり前の職場だったので、勤務時間を考えると時給1000円にも満たないお給料でした。

このような事情はどこの動物病院でも見られ、獣医師の多くが「割に合わない」「もっと給料くれ!」と感じています。

残業代は貰えないの?

割に合わないと感じてしまう大きな原因が、残業代が出ないことではないでしょうか。
病院によって違いはあるものの、残業代が出ない病院の方が多いと思います。

私が勤めていた動物病院では緊急手術などの理由がないと残業代は支給されませんでした。
しかし、緊急手術以外でも、自分が担当している入院中の患者の容態が良くなかったり、外来のカルテを整理しながら今後の治療計画を考えたり、自分のスキルアップのために毎日勉強したりと、残業は毎日当たり前です。

難しいのは、これを「仕事=残業」ととらえるか「勉強=自己研磨」ととらえるか。
人によって価値観は違いますが、多くの獣医師(特に若手獣医師)は「勉強」だと思って毎日遅くまで病院に残っています。
割に合わないと感じつつも、動物の命を助けるために、獣医師として成長するために頑張るのです。
こういった価値観を持っていないと、動物病院で獣医師として働き続けるのは難しいです。

ボーナスは出るの?

私が勤めていた病院では年に2回、夏と冬にボーナスがありました。

忘れられないのは、社会人1年目の夏のボーナス・・・

たった1万円だったのです。

しかも、そこから税金が引かれ、手取りは8000円くらい。
ボーナスというか、お小遣いレベルだと思いませんか?

先輩からは、働き始めたばかりなのだから貰えるだけ感謝しろと言われましたが、一般企業に勤めた友人が何十万円もボーナスを貰っていると知った時は、さすがに羨ましかったです。

よく、「ボーナスは給料◯ヶ月分」などと聞きますが、動物病院で働いていた間にそんな多額のボーナスを貰ったことは一度もありませんでした。

獣医は儲かりま・・・せん。

今回お話してきたように、獣医師は必ずしも高収入とは言えません。
5年くらい経験を積んで、一通りいろいろな病気を診察できるようになっても、月給30〜40万円くらい。
独立・開業しても、年収1000万円を超えるのは一部の成功者のみだと言われます。
なので獣医師にはお金持ちセレブよりも、庶民派の方が圧倒的に多いです。

そんな割に合わない仕事をなぜ続けるのか?

それは、獣医師の仕事が好きだから。
これに尽きると思います。

お金よりもやり甲斐。

獣医師として生きていくには、そういった心持ちが一番大切なのかもしれません。