どうも、元獣医師のにぼしです。
えっ?!気付いたらハムスターが動いていない!冷たくなっている!
突然ハムちゃんが動かなくなったら、焦ってしまいますよね。
でも、ちょっと落ち着いてください。
もしかしたら、あなたのハムちゃんは冬眠状態なのかもしれません。
冬眠状態であれば、丁寧に温めてあげることでハムちゃんは目を覚ましてくれる可能性があります。
まずは、今すぐにハムスターを毛布やタオルでくるんで、あなたの手のひらや腕の中に抱き寄せ、体温で温めましょう。
それから、落ち着いて順番に記事を読んでいってください。
元獣医師にぼしが、ハムスターの擬似冬眠について、緊急対処法から原因、予防法までまるっと丁寧に紹介していきます。
ハムスターの擬似冬眠の見分け方
擬似冬眠とは、寒さなどの厳しい環境に耐えるために、体の機能を最小限に制限してエネルギーの消費を抑えるハムスターの防御反応です。
言わば、生命活動を省エネモードに切り替えたようなもの。
そのため、ハムスターの動きは次第に鈍くなり、体を丸めて眠ったような状態になります。
さらに、体温が低下したり、呼吸や心拍も低下するんですね。
なので、体も冷たいし、ぱっと見ただけでは、死んでしまったのではないかと勘違いしてしまうかもしれません。
まずは落ち着いて、ハムスターの様子をよく観察してみましょう。
1.呼吸を確認する
ゆっくりとではありますが、冬眠中のハムスターは呼吸しています。(1分間に数回)
ハムスターのお腹のあたりが上下に動いていないかどうか、ヒゲがわずかにピクッと動く様子がないかなど、よく観察しましょう。
ハムスターの呼吸する動きが確認できない場合は、小さく切ったティッシュペーパーなどを鼻先に近づけて、ティッシュが揺れるかどうか確認してみましょう。
寒い時期だと、スプーンなどを鼻先に近づけて、ハムスターの息でスプーンが曇るかどうかで呼吸を確認することもできます。
2.体が柔らかいかどうか確認する
冬眠中のハムスターはほとんど動きませんが、死んでいるわけではありません。
そのため、死後硬直のように体が硬くなることはなく、皮膚の弾力や体の柔らかさが残っています。
ハムスターの手足を触って動かすことができるかどうか、皮膚をつまんでみて柔らかさが残っているかどうか確認してみましょう。
ハムスターが死んでしまったのではないかと不安な場合
ハムスターの冬眠と死亡を見分けるのは難しいです。
一番良い見分け方は、体が硬直していないかどうかを確かめること。
しかし、眠っているハムちゃんの体を無理矢理動かそうとするのはちょっと怖いと感じることもありますよね。
あなた自信で判断ができない場合でも、まずはこれから紹介する対処法を試してみて、反応があるかどうか確かめてみましょう。
擬似冬眠してしまったハムスターの起こし方
冬眠してしまったハムスターを起こす一番のポイントは、少しずつ温めること!
2〜3時間くらい時間をかけて、ゆっくりとハムスターの体温を上げてあげます。
十分体が温まったら、ハムスターは冬眠から目を覚ましてくれるはず。
こたつやストーブ、ドライヤーなどで急激に温めてしまうと、ハムスターの体に負担が大きくなり危険です!
必ずゆっくりと時間をかけて温めるようにしてください!
1.部屋を暖める / 暖かい部屋へ移動する
まず第一に、部屋が十分な暖かさかどうか確認しましょう。
ハムスターと一緒に暖かい部屋に移動するか、ハムスターにとって快適な20℃〜26℃の室温まで暖めます。
室温が確認できたら、ハムスターを抱き上げて次のステップに進みますよっ!
2.あなたの体温で温める
ゆっくりとハムスターを温めるのに手っ取り早くて効果的なのが、手のひらや腕の中など、あなたの体温を使って温めること!
冒頭でお伝えしたので、ふところの中でハムスターを温めながらこの記事を読んでくれている方もいるかもしれませんね。
ハムスターの動きや仕草に変化がないか確認しながら、30分くらいを目安に温めます。
体の循環を促すために、ハムスターの背中を優しくさすってあげるのも良いですよ。
3.湯たんぽやカイロ・ヒーターなどで間接的に温める
ある程度の時間、体温でハムスターを温めたら、ヒーターなどを使ってみましょう。
30分から1時間ほど温めて、ハムスターが目を覚ます気配がないか、よく観察しましょう。
ヒーターがなくても、お湯を入れたペットボトルや使い捨てカイロがあれば、簡易湯たんぽに変身です!
ただし、ヒーターや湯たんぽなどを使用する時は、必ずタオルや毛布にくるんで使うようにしてくださいね。
熱がハムスターに直接伝わると、高温になり過ぎて危険な場合があります!
4.栄養と水分を補給する
ハムスターの動きや反応が出始めたら、暖めたミルクやお湯で溶いたハチミツなどを飲ませてあげましょう。
スポイトや綿棒の先に水分を含ませて、ハムスターの口元に付けてあげるといいですよ。
これによって、ハムスターを体の内側から温められるし、エネルギーや水分を補給することで、体の機能回復を助けることができます。
5.目覚めてからも注意して細目に様子を見る
冬眠から目覚めた直後では、まだハムスターの足どりがフラフラしていたり、不安定な状態です。
ハムスターが自力で歩けるようになったら、ケージの中が十分な暖かさか確認して戻してあげても大丈夫。
食べ物や水を十分用意して、ストレスがかからないよう静かに見守ってあげましょう。
その後、半日くらいは細目にハムスターの様子を確認し、異変がないかチェックしてくださいね。
温めてもハムスターが起きない・・・様子がおかしい場合
通常であれば、温め始めてから1時間くらいの間には、何かしらハムスターの反応が見られることが多いようです。
いくら温めても起きない場合や、起きてからもずっとフラフラしたりピクピク痙攣するなど様子がおかしい場合は、すぐに動物病院に連れて行ってあげてください。
なぜ擬似冬眠してしまったのか原因を考えよう
「やった〜!ハムスターが冬眠から起きてくれた!」
「やばかったけど、何とかなって良かった」
・・・
ちょっと待った!
ここで終わらせてしまってはいけません!
ハムスターが擬似冬眠してしまった原因を探して、二度と同じことを繰り返さないようにしてください!
擬似冬眠はハムスターにとって危険!
冬眠は、厳しい環境を生き抜くために、ハムスターに自然に備わっている能力です。
しかし同時に、ハムスターにとっては大きなストレスがかかり、体力も消耗してしまうんですね。
もともとハムスターはストレスに強い生き物ではありません。
冬眠をきっかけに体調を崩したり、冬眠で眠ったまま命を落としてしまうこともあるんです。
なので、あなたのハムちゃんが再び冬眠することがないように、冬眠を引き起こす原因を知って対策を考えましょう。
ハムスターが擬似冬眠する原因
ハムスターが冬眠してしまう可能性があるとされているのは、次のような状況の時です。
- 気温が低い(5℃~10℃以下など)
- 急激に気温が低下する
- 光を感じる時間が短い(部屋が暗すぎる)
これ以外にも、餌が少ないなど栄養状態が良くないと、冬眠しやすくなるとも言われています。
何か思い当たる原因はありませんか?
いずれにせよ、きちんとした環境でハムスターを飼育できていれば避けられる状況ですよね。
つまり、ハムスターを冬眠させてしまったということは、今すぐ飼育環境を見直す必要があるということです!
ハムスターの擬似冬眠を予防する方法
ハムスターを冬眠させないようにするための一番のポイントは、適温を保つこと。
秋が深まってくると突然気温が下がって、私たち人間も慌てて冬支度をすることがありますよね。
秋の終わりから本格的な冬になるまでの間は、特に注意が必要な季節です!
ハムスターにとって快適な20℃~26℃を維持して、細目にハムスターの様子を確認してあげるようにしましょう。
詳しい寒さ対策については、『ハムスターの冬の寒さ対策12選!温度管理に使えるグッズまとめ!』の記事も参考にしてください。
1.エアコンやペットヒーターで暖める
エアコンでケージを置いている部屋全体を暖かくしたり、ペットヒーターでハムスターがいるケージ内を暖めましょう。
ペットヒーターを使う時は、ケージ全体ではなく一部だけを暖めて、ハムスターが暑いと感じた時に自由に移動できるよう、逃げ場を作っておくことがポイント!
逃げ場がないと、逆に熱中症になってしまったり、低温やけどの危険もあるので注意しましょう。
2.床材をたっぷり用意する
冬の間は、チップなどの床材を多めに入れてあげて、ハムスターがふかふかで暖かい寝床を作れるようにしてあげましょう。
フリース製のベッドなど、暖かグッズを使うのも良いですね。
3.十分な餌を与える
寒さを乗り越えるためには、体でエネルギーを作り出す必要があります。
そのエネルギーを作り出すには、たっぷり栄養を摂らなくてはなりません。
寒くなってきたら特に、ハムスターに十分な量の餌を食べさせてあげるようにしましょう。
ハムスターの擬似冬眠まとめ
野生のハムスターで冬眠する様子が観察されていたり、実験・研究などで低温で冬眠状態にしたハムスターが使われているように、本来ハムスターは冬眠する動物とされています。
しかし、ペットのハムスターは冬眠させるべきではありません!
だって、可哀想ですよね。命の危険だってあります。
まずは冬眠するようなことがないよう、しっかり予防することが一番大切です。
万が一冬眠してしまった場合は、あわてずゆっくりハムスターを温めてあげること。
小さな命を大切に、少しでも長く一緒に過ごせるようにしたいですよね。
寒い季節は温度管理に御用心!