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猫のフィラリア症とは?元獣医師が教える3つの特徴!

猫, フィラリア

こんにちは!元獣医師のにぼしです♪

フィラリア症と言えば、わんちゃんの飼い主さんにとってはよく知られた病気ですが、実は猫ちゃんもフィラリア症にかかるってご存知でしたか?

最近では、完全室内飼育の猫ちゃんでもフィラリア症が見つかったりと、猫ちゃんのフィラリア症についての調査が進み、少しずつ注目されるようになってきました。

え?!猫もフィラリアにかかるの??

フィラリア症って何??

そんなあなたのために、この記事では猫ちゃんのフィラリア症について、元獣医師にぼしがわかりやすくご説明します。

あなたの猫ちゃんが健康に過ごせるように、猫のフィラリア症について知っておきたいですね!

猫のフィラリア症ってどんな病気?

フィラリア症は、蚊に咬まれることによって、フィラリア(犬糸状虫)という寄生虫が感染して引き起こされる病気です。

白くて長い、そうめんのような寄生虫です。

このフィラリアという寄生虫は、本来は犬の体内に住みついて、成長したり幼虫を産んだりと一生を過ごします。

こう言うと一見、フィラリアは犬だけの病気のように思われがちですが、実は猫ちゃんにも感染する病気なんです。

犬から猫へのフィラリアが感染を媒介しているのが”蚊”

  1. 蚊がフィラリアに感染した犬の血液を吸う
  2. 蚊の体内にフィラリアの幼虫が入り込む
  3. その蚊が猫ちゃんの血液を吸うと、猫ちゃんの血液中にフィラリアの幼虫が感染する・・・

といった経路で、蚊を介して犬から猫へとフィラリアが感染していきます。

猫のフィラリア症の3つの特徴

フィラリア症は犬にも猫にも同じように感染する病気ですが、わんちゃんと猫ちゃんでは違いもあります。

犬のフィラリア症との違いとして、猫のフィラリア症の3つの特徴を見ていきましょう!

1.症状が他の病気と区別しづらい

犬のフィラリア症では、お腹に水が溜まる、咳、運動するとすぐ疲れるなど、いくつか特徴的な症状が知られています。

一方、猫のフィラリア症の症状は、

など。

どの症状も他の病気でも起こりうる症状なので、他の病気と誤診されてしまったり、症状だけではすぐにフィラリアだと判断できません。

さらに、フィラリアに感染してもほとんど症状が出ない猫ちゃんもいるため、重症化するまで気づかないことも多いと言われています。

2.突然死することもある

猫のフィラリア症で一番怖いのが、フィラリアによって猫ちゃんが突然死してしまうおそれがあること。

猫ちゃんの体内で成長したフィラリア成虫が死滅すると、死滅したフィラリアの虫体が心臓の血管に詰まったり、アナフィラキシーショックと呼ばれる激しいアレルギー反応を起こして、命を落としてしまうことがあるのです。

猫ちゃんは犬に比べてフィラリアに対する抵抗力が強いため、感染したフィラリアの多くは幼虫のまま死んでしまい、成虫まで育つものは少ないとされています。

しかし、数は少なくても成虫まで育つ可能性はゼロではなく、たった1匹のフィラリア成虫であったとしてもアレルギー反応が起きてしまうおそれがあるので要注意!

3.検査をしても発見しにくい

症状だけでは判断できず、感染に気付かないと突然死してしまう可能性もある猫ちゃんのフィラリア症。

心配なあなたなら、猫ちゃんがフィラリアに感染していないかどうか、調べることができたら・・・と考えますよね?

ところが・・・

わんちゃんのフィラリア感染は、血液検査によって高い確率で判定することができるのですが、猫ちゃんのフィラリア感染を確かめる有効な検査はありません。

というのも、2.突然死で紹介したように、猫ちゃんは抵抗力が強いため、感染しても生き残るフィラリア幼虫は少ないからです。

広い海の真ん中で落とした指輪を探し出すようなもので、フィラリアの数が少ないと、血液検査などで見つけ出すのは非常に困難です。

猫のフィラリア症は予防が大切!

このように、猫のフィラリア症は症状がわかりづらく、検査でも発見しにくい上に、発症すると猫ちゃんが命を落とす可能性もある”実は怖い病気”なんですね。

そのため、わんちゃんだけでなく、猫ちゃんにもフィラリア予防が重要視されるようになってきました。

ノミやダニに比べると、猫のフィラリア症はまだまだ認知度が低く、実際に予防をしている飼い主さんは少ないのが現状ですが、この機会に愛猫のフィラリア予防について考えてみてくださいね。

ちなみに、我が家のにゃんこも毎月フィラリア予防してますよ♪

少しでも心配なあなたは、かかりつけの獣医さんに相談してみましょう。

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