こんにちは、元獣医師のにぼしです。
最近、うちのにゃんこが便秘気味かも・・・
動物病院に行った方がいいのかな?
と、気になっているあなた。
猫の便秘は早めに気づいて対処することが大切です。
たかが便秘と思って侮るなかれ、猫の便秘は放っておくと厄介なことに。
命取りになったり、一生便秘体質になってしまったりすることも。
しかし、猫ちゃんは人間と違って苦しさを言葉にできないため、どうしても体調の異変に気づくまでに時間がかかってしまうことが多いです。
愛する猫ちゃんを苦しめないためには、便秘の症状を知って、早めに気づいてあげられるようにしたいもの!
そこで、この記事では、猫の便秘の時に見られる症状を、初期症状から重症例まで、段階別に説明していきます。
あなたの猫ちゃんの様子をよく観察して、動物病院に行くべき症状が見られていないかどうか確認してください。
そもそも猫の便秘とは?
便秘とは、排便回数が少なくなったり、乾燥した硬い便しか出ないような状態のことです。
便が溜まっているのに、出しにくくなっているというわけですね。
健康な大人の猫ちゃんの排便回数はだいたい1日1~2回。
もちろん個体差はありますので、元気な時のトイレの回数を把握しておき、それと比較して回数が減っているかどうかで判断することが大切です。
うんちが3日以上出なかったり、次のような症状が見られる場合は便秘症と言えます。
猫ちゃんの様子をよく観察して、状況によっては早めに動物病院へ行きましょう。
猫の便秘が疑われる症状
猫が便秘の時に、どんな症状が見られるか、重症度別に確認していきましょう。
あなたの猫ちゃんに当てはまる症状はありませんか?
レベル1:初期症状
- うんちが硬くてコロコロ、細い
うんちが普段より硬くなり、一回の量が減ってきます。 - トイレで踏ん張っている時間が長い
- 硬いうんちがトイレの外に落ちている
便秘気味になると、トイレの中だけではうんちが出し切れず、トイレの周りをウロウロしながらうんちを落としてしまうことも。
今までちゃんとトイレで排便できていたのに、トイレ以外でコロコロうんちを見かけるようになったら便秘のサインかもしれません。
これらは便秘の初期症状。言わば、便秘気味の状態です。
うんちが出ていたとしても、うんちの様子がいつもと変わってきたら要注意!
しばらく注意して様子を観察し、何日も続いたり悪化する場合は、猫ちゃんが元気でも病院に行きましょう。
レベル2:本格的な便秘
- トイレで排便姿勢をとるが、出る気配がない
- 排便姿勢でいきみながら、苦しそうな声で鳴く
- トイレでいきんで吐くことがある
便秘が進行すると、排便時に痛みや苦しみを伴い、猫ちゃんに負担がかかるようになってしまいます。 - お腹を触ると嫌がる
- 元気・食欲低下
便秘でお腹の膨満感があるため触られるのを嫌がったり、食欲や活動性が低下してきます。
ここまでくると、猫ちゃんは便秘で苦しんでいる状態。
早めに病院に連れていってあげてください。
しんどそうにしていたり、吐き気や食欲不振に気づく頃には、便秘でお腹にかなりうんちが溜まっている可能性大です。
レベル3:重症、頑固な便秘
- 頻回に吐く、ぐったりしている
ひどい便秘のまま放置していると、本当に猫ちゃんがチーンと意気消沈してしまいます。 - お腹が張っている
便秘を放置していると、便中の細菌から発生した有害な毒素が全身に回ってしまうことも。 - 吐いたものから、うんちのような臭いがする
腸が詰まってしまっている可能性が。かなり危険!
緊急事態です!
こんな症状になるまで決して猫ちゃんを放っておかないでください。
もし、こんな状態になってしまったら、すぐに病院へ!
あなたの猫ちゃんは大丈夫?
どうでしたか?
少しでも気になる症状があれば、早めに一度、動物病院で診てもらった方が安心。
とにかく、猫の便秘は早めに対処してあげることが大切です。
どうして便秘になってしまったのか、原因が気になる方はこちらの記事をどうぞ。
こんにちは、元獣医師のにぼしです。最近、コロコロうんちしか出てないな・・・前は毎日うんちが出てたのに、2日に1回しか出なくなっちゃった・・・猫ちゃんの便秘、心配ですよね。便秘かも・・・と心配な症状がある場合は、こちらの記事も参考にしてみてください。どうして便秘になってしまったんでしょう?”なんとかしてあげたい!”と、便秘への対処法を考えるにも、まずは便秘になった原因を探ることが重要です。猫の便秘には6つの原因が考えられます。この記事では、6つの原因を、生活習慣や環境などの病気以外の原因病気が関連す... 猫が便秘になるのはナゼ?6つの原因と対処法を徹底解説! - けものはっく |
猫の便秘を放置した場合・・・
腸の中でカチカチのうんちの塊ができてしまい、取り出せなくなってしまいます!
動物病院では、浣腸をしたり、指を入れてうんちを掻き出したりと、便秘を治すために様々な手を尽くします。
しかし長時間経って硬くなってしまったうんちは、何をしても取り出せず、点滴や浣腸をしながら数日入院しなくては取り出せないことも。
(無理やり取り出そうとすると、腸が破けてしまう可能性があり危険!)
私も獣医師として便秘の猫ちゃんを何度も診てきましたが、そんな時の猫ちゃんは、本当に苦しそうです・・・
また、便秘を放置したり繰り返したりしているうちに、便秘体質がクセになってしまったり、巨大結腸症という病気につながる可能性も。
こうした理由から、猫の便秘は放置せずに、早めに対処することが重要なんですね。
うんちが出てないかも・・・と感じたら、早め早めに動物病院を受診しましょう。